名作家具の歴史

date. 2020/10/30

みなさま、こんにちは!

 

名古屋店の今月のテーマ「じかん」

今回で「じかん」ブログ最後となります。

 

今までのブログを読んでない方は

こちらからお読みください。

 

vol.1→ インテリアと「じかん」

vol.2→香りで「じかん」を切り替える

vol.3→素材と「じかん」

vol.4→「じかん」を感じるアナログ時計

vol.5→わたしの「じかん」のつかいかた

vol.6→時短で作る私の「じかん」

vol.7→「Relaxin’」と過ごす一日

 

何十年前に誕生して、長い年月が経っても

デザインが変わらず、世界中から愛されている家具があります。

そんな名作家具の歴史の紹介です。

 

3101 CHAIR(アントチェア)

 



 

デンマークにあるNOVO製薬の食堂用の椅子としてデザインされました。

依頼された内容は、「軽量かつ丈夫」、「スタッキング可能」、

「円形テーブルに多くの椅子が配置可能なデザイン」、「安価」であるという事。

この厳しい条件を実現するためにイームズが当時実験を繰り返していた成形合板による製作を決めました。

この特徴的なフォルムは、成形合板の加工技術の進歩とのせめぎ合いによりできました。

第二次世界大戦中、金属の代用素材を実用化する必要等から、合板の成形技術は大きく成長しましたが、

座面と背面を一体にしたシェル型に成形することは簡単ではなく、

その実現は1952年になりました。

蟻を思わせるアイキャッチーなアントチェアの形状。

これは、一体のシェルとして成立させるために、

ひび割れや強度の問題等から切り取らざるを得ない部分があり、

それらを除いた後で苦心の末に得られたものだとも言われています。

革新的な製造方法と印象的な外観により、商業的にも大きな成功を収める事となりました。

1984年には、査定評価がもっとも厳しいと言われるIDクラシック賞を受賞しており、

20世紀の成形合板の技術革新の歴史そのものと言える作品です。

 

・SHELL CHAIR(シェルチェア

 



 

このシェルチェアは、1948年にMoMA(ニューヨーク近代美術館)が開催した

ローコスト家具デザイン国際コンペのためにデザインされた椅子(このコンペは2位)がオリジナルであり、

その椅子をベースにして作られたと言われています。

コンペに出展した作品は金属製でしたが、

アームと本体の両方が一体型シェルで出来た椅子というアイデア自体は

個別の部品や製造工程少なくて済むため、

コストを抑えて美しいデザインの椅子を作れるということで

形状のアイデアはそのままに、素材を変えて再設計を試みたのです。

そして1950年にハーマン・ミラーよりシェルチェアとして発表されました。

ファイバーグラスによる製造で安く、軽量で量産可能なチェアとして大成功を収めましたが、

ファイバーグラスという素材はリサイクルが出来ないため、

環境的なリスクから1993年に製造を中止しています。

そこから数年で技術の進歩により、2004年に素材をポリプロピレンに変えてシェルチェアが復活します。

100%リサイクル可能なポリプロピレンによって少し柔らかい印象に生まれ変わり、耐久性も向上しました。

 

・CH24(Yチェア)

 



 

ザ・チェアやチャイニーズチェアと並ぶハンス・J・ウェグナ―の代表作です。

1950年に発表され、現在でも高い人気を誇る大ベストセラー作品です。

この椅子のルーツは1943年にデザインされたチャイニーズチェアや

1949年にデザインされたザ・チェアであると言えます。

工程のほとんどが機械化されており、木製家具に対していち早く工業製品化を取り入れた作品になります。

全体の組み立て工程や座面ペーパーコードの編みこみ、

細部の仕上げなどは職人による手作業で実施されており

工業製品の中にもクラフトマンシップが感じられる仕上がりとなっています。

 

 

一部をご紹介しましたが、世界中から愛されている名作家具は、

時が経った現在でも時代を感じさせないデザインで

今当たり前になっている製造方法の先駆者でもあります。

 

そんな名作家具を暮らしの中に入れてみて、

コーヒーを飲んだりする、

自分の「じかん」を名作家具と共に過ごしてみてはいかがですか。

 



 

 

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